Classic Car & Restoration

ポルシェ ボクスター 車検・ドアロックユニット修理

2020.04.19 Sun

車検のためお預かりしていたポルシェボクスターです。

 

ドライブシャフトブーツ破損の為、取り外しました。

亀裂が入りグリスが飛び出しています。
初期の段階なのでブーツの交換とグリスの交換でOKです。


洗浄して内部の状態を確認後新しいブーツを組み付けます。

完成です!

スタビリンクもブーツが破れていました。
ボールジョイントは正常だったので、今回はブーツのみの交換とさせて頂きました。

 

 

ドアロックユニットの修理です。
通常ボクスターのドアガラスは全閉状態でドアを開けるとガラスが少し下がり
その後ドアを閉めるとまたガラスが少し上がるという作動をするのですが
お預かりした車両はドアノブから手を離すとガラスが上がってしまい
その状態でドアを閉めるとガラスが窓枠に当たってしまうという症状でした。
このような症状の場合、レギュレーターの故障もしくは
ドアロックユニットの故障である事が多いのですが
点検したところ今回はドアロックユニットの故障でした。

確認したところドアロックユニット内の
マイクロスイッチの不良である事が分かったので修理しました。
と言っても作業は単純でステンレスの平板を20mm×5mmほどにカットして取り付けるだけ。
なのでパーツ代はほぼ掛かっていません。

これで正常にドアハンドルと連動してガラスが作動するようになりました。
交換すると数万円するパーツなのでお客様のご負担は減らす事が出来ましたが
はたしてこの修理方法が最善なのか…このような修理をする時にはいつも悩みます。
一般的には丸ごと交換される事が多いと思います。
その方がリスクも少ないし手間も掛からず効率も良い。
正直なところどちらの修理方法が正解なのかは分かりません。
今回の修理方法では、もしかすると納車して直ぐ他の場所が破損したりするかもしれない。
もちろんお客さまにはリスクがある事も説明させて頂きますが
原因が違うとはいえ直ぐに同じ症状が再発するのは印象も良く無いです。
ただ、整備士として修理して使える物は出来るだけ修理して使って頂きたいと思うので
たとえ非効率でも常に修理する方法は考えながら作業しています。
常にそのお客様にとって最善の修理方法が提案できるように…

そして、この様なリスクのある修理方法を選ぶ時に一番大切だと思うのは
自分がそのお客様とこれまでにどのような信頼関係を築いてこれたか?という事です。
信頼して修理を任せて下さるお客様に感謝です!